人間の地獄を見る 夢野久作「少女地獄」

「ドグラ・マグラ」などの作品を書いている夢野久作さんの作品を初めて読みました。(まだ途中だけど)

読んでいる作品は「少女地獄」。短編作品でがっつり読む時間がなくても読んでいけます。

20世紀前半に出た作品のため、日本語の表現が今の小説と比べて読みにくくはなりますが読めなくなるほどわからないことはないと思います。

この「少女地獄」は3つの短編から構成されており

  • 何でも無い
  • 殺人リレー
  • 火星の女

の3つの短編でできています。

何でも無い

医師・臼杵の前に現れた可憐な美少女・姫草ユリ子。彼女は虚構の天才であり、その虚構をばれないようにするために新たな虚構をついていくがある日から姿を消してしまう。その後、ユリ子の自殺の知らせを受ける。

嘘をつき続けた人間の末路、その周りにいた人たちの苦悩メインなのですが、つくりの巧妙さがすごいと感じました。虚構の世界を守り続けるユリ子の虚構が見破られそうになった時の焦燥感やそれを平然と隠す演技力がホラーより怖かったです。とくにネタバレに近くなりますが、日付に気づいた時には何が本当で何が虚構なのかわからなくなります。

殺人リレー

バスガイドに就職したトミ子のもとに、小学校の同級生でバスガイドのツヤ子からバスの運転士・新高は結婚詐欺師で殺人者だから、もし配属されてきたら気をつけろという手紙を受け取る。その後ツヤ子は新高と出会って結婚し、不審な事故死を遂げる。そしてついにトミ子のもとに新高が配属され、トミ子はツヤ子の仇を討とうとするが、殺人者の可能性がある新高に恋してしまう。

復讐するべき相手に恋に落ちた女性をメインにした話。精神が地獄みたいな状態で敵をとりたい気持ちとこのまま新高のものになってしまいたい気持ちがいりまじって最後にした決断とその顛末はやるせない気持ちになりました。

火星の女

「火星の女」とあだ名がつけられていた女生徒が焼身自殺した県立女学校で、その後立て続けに校長の失踪や発狂、女教師の自殺や書記の大金拐帯など不可解なことが起こる。そして自殺した女生徒の遺書が発見され、校長等の悪事が暴かれていく。

「火星の女」の人生と校長先生と出会ってからの人生、とくに女として目覚めてしまったが故の苦悩を抱えて復讐していく女の心理がとても怖かったが魅入られました。校長らの悪事に巻き込まれた被害者側の人たちのことを考えるともっと復讐してやれ!!ってなってしまいました。

夢野久作さんの作品をまだ読んだことないって人にはかなり読みやすくておすすめです!!

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