心温まる医療 -夏川草介「神様のカルテ」

私が医療系の小説で一番好きなのが夏川草介さんの「神様のカルテ」です。今では「神様のカルテ2」「神様のカルテ3」「神様のカルテ0」「新章 神様のカルテ」と計5冊の長編となっています。

神様のカルテ あらすじ

主人公・栗原一止(くりはらいちと)は、信州松本にある本庄病院に勤務する内科医である。彼が勤務している病院は、地域医療の一端を担うそれなりに規模の大きい病院。24時間365日などという看板を出しているせいで、3日寝ないことも日常茶飯事。自分が専門でない範囲の診療まで行うのも普通。そんな病院に勤める一止には最近、大学病院の医局から熱心な誘いがある。医局行きを勧める腐れ縁の友人・砂山次郎。自分も先端医療に興味がないわけではない。医局に行くか行かないかで一止の心は大きく揺れる。そんな中、兼ねてから入院していた安曇さんという癌患者がいた。優しいおばあちゃんという感じで、看護師たちには人気者だが、彼女は「手遅れ」の患者だった。「手遅れ」の患者を拒否する大学病院。「手遅れ」であったとしても患者と向き合う地方病院。彼女の思いがけない贈り物により、一止は答えを出す。

Wikipediaより

神様のカルテ 感想

この小説の好きなところはとにかく心が浄化されることです。医療の中で治すことは絶対ですが治せない患者は存在し、その患者に対して何ができるのかを考え行動に起こす一止らの姿は本当に心が暖かくなります。

この小説の中には一止の他にも次郎をはじめとする医者や看護師が出てくるのですが、その中でも私は板垣源蔵という医者が大好きです。一止の中では「大狸先生」とあだ名がついている太っ腹で豪快な消化内科部長で普段の飄々とした態度からは考えられないくらいに部下を守るには鬼になる姿がとても好感が持てます。同じ科の内藤鴨一(こちらは「古狐先生」とつけている)と旧知の中で神様のカルテ2での話は本当に涙なしには読めない展開でした。

あとこの小説で好きなのが、一止と妻のハルとの関係性です。ハルは華奢ながら重いカメラをいくつも持って山を登る山岳写真家で一止と縁もゆかりもない人種の方なのですが出会い方も一止らしいしそのあとのハルへのアプローチもニヤニヤしてしまうほどに好きです。一止が疲れてしまったらハルが、その反対にハルが疲れている時は一止が支えたり勇気付けたりする関係性がこの「神様のカルテ」の中で見所です。

時には現実を突きつけられ打ちのめされることがあっても、自分を持って突き進む姿に勇気付けられ、心が温まるのがこの「神様のカルテ」の醍醐味だと私は感じました。

続きが出るのかはわかりませんが、まだ私は一止とハルの掛け合いを見ていたいです。

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