小児性愛の葛藤 木原音瀬「ラブセメタリー」

木原音瀬「ラブセメタリー」

今回は小児性愛をテーマに本人の心の葛藤や周囲の小児性愛に対する様々な捉えた方をリアルに生々しく描いた木原音瀬さんの「ラブセメタリー」についてあらすじや感想を書きました。

あらすじ

この物語は3つの章とエピローグで構成していてそれぞれに視点が異なります。

ラブセメタリー

精神科の飯田クリニックに看護師として勤める町屋智。クリニックで医者をしている飯田のトラウマにより患者の検診の時に何かあればすぐに駆け付けられる位置で町屋は検診の手伝いをしていた。ある日検診に訪れた久瀬圭祐は飯田に悩みを打ち明けた。

・・・・僕は大人の女性を愛せません。僕の好きな人は、大人でも女性でもないんです

久瀬は小児性愛という子供にしか性的欲求が湧かない性的嗜好を持っていた。子供に対して淫らなことを行うことは明らかに犯罪であり、久瀬は犯罪者になりたくない、家族に迷惑をかけたくないと考え飯田の元に訪れて治療を求めた。

それからしばらくして、町屋は街中で久瀬が泥酔して倒れているところを発見し、それを機に二人は交流を持ち始める。

あのおじさんのこと

出版社の契約社員の篠原伊吹はお金を返しにいく友達のボディガードとして阿部というおじさんに会いに行った。友達を別れた後伊吹は古本屋で先ほどの阿部と再び遭遇し、阿部から森下春伸というホームレスの人間の話を聞く。阿部の話を聞いた伊吹は森下の人生を1冊の本にしたいとさらに興味を持ち、森下という人物像について理解するために様々な人に会って話を聞き始める。

そして森下という人間の、小児性愛の人間の心境について迫っていく。

僕のライフ

あのおじさんのことに登場する森下春伸の視点に変わる。森下は小学生の時、叔母の一人娘の富士子と共に暮らしており、森下には兄がいたが富士子のお世話は森下に任されていた。森下は富士子のお世話をしていく中で堪えきれず富士子の割れ目を触ってしまう。その感触が癖になってしまい何度も何度もお世話の中で触るようになっていたがある日、富士子が引っ越してしまう。森下は富士子のことが好きだったからあのようなことをしてしまったと、あれが初恋だと考えていた。

その後13年後ぶりに富士子と再会するが森下は成長した富士子に絶望し、自分が子供にしか性的に興奮しないとわかってしまう

感想

注意:ここから若干のネタバレが存在します!

エピローグを読み終わった時にものすごく怖くなりました。ラブセメタリーで久瀬について知っているが故にここで登場する客観的にみた久瀬はこんなにもカッコ良くて完璧な存在なのにもかかわらず、子供と関わるシーンでは普通のことをしているだけなのに何故こんなにも読んでいて不安になってしまうのだと感じました。

久瀬もいつか森下のように小児性愛になってしまう可能性を考えるとものすごく悲しくなります。森下も久瀬のようなルートを辿れるチャンスはどこにでもあったはずなのにどこで踏み外してしまったのか。

私的には何回か気持ち悪すぎてこれ以上ページを進めたくないと思った場面はありますが一番は、高野くんに〇〇するシーンが想像すらしたくないほどに不快感が出てしまいました。

小児性愛という性的嗜好についてをメインにした小説を初めて読んだので衝撃が凄かったですが、読んでよかったです。

コメント

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