残された父の復讐 芦沢央「罪の余白」

芦沢央「罪の余白」

今回はこのブログでも「悪いものが、来ませんように」、「許されようとは思いません」を紹介させていただいている芦沢央さんの「罪の余白」のあらすじや自分の読んだ感想などを書いていきます。

あらすじ

大学講師である安藤聡(あんどうさとし)は講義終了後に携帯電話を確認すると数多くの着信があることに気づく。着信の理由もわからないまま安藤は大学の同僚である教授の小沢早苗(おざわさなえ)に連れられてタクシーに乗り病院に向かう。病院に向かう途中、再び着信が鳴る。着信は安藤の義母からであり、安藤の一人娘・安藤加奈(あんどうかな)が学校の4階から転落して病院に運ばれたことを伝えようとしていたのだが安藤が連絡に気づく時には時すでに遅く加奈は命を落としてしまっていた。

加奈の母親である安藤真理子(あんどうまりこ)は加奈の出産の時にがんを患っており、がんの除去を優先するか加奈の出産を優先するかの選択で加奈を選び、加奈が8歳の時に亡くなる。

家にも学校にも遺書のようなものは見つからず、加奈が自殺を計ったのかそれとも何者かによって転落してしまったのかわからないまま安藤は生きている意味を見つけられずにいた。

そんな時、加奈のクラスメートからの手紙を安藤は手にする。安藤は加奈に対して真理子の出産のことについて何も話せなかったこと、加奈が自分で調べて真理子の死の理由を知って気に病んでしまったのではないかと加奈の死の理由を考察し、なぜ加奈が亡くなる道を選んだのかを知りたいという思いを持つようになる。

その後しばらくして加奈のクラスメートと名乗る少女が安藤の家に訪れる。その少女に安藤は加奈のパソコンのパスワード解除を協力を求め、二人でパスワードの解除に成功し加奈が生前につけていた日記を見つける。

感想

注意:ここから若干のネタバレを含みます!!

加奈を亡くした父の姿には読み進めるほどにもうやめてくれと思うほどに辛く苦しく感じました。愛する妻も亡くし、妻が唯一残してくれた娘も亡くしてしまった父親の心境は実際に体験したくないとこの本を読んで改めて思わされました。芦沢さんの表現が自分の頭で再生されすぎて前半のパートで読むことへの疲労感が強くてしばらく読むのを躊躇ってしまいました。

安藤の復讐心と復讐相手が何を考えて行動しているのかを両方の立場になって読めるため、安藤の復讐を応援してしまいたくなりました。

この「罪の余白」というタイトルは読んだ後の個人的な解釈として「罪という法で裁かれたあとの罪はその罪を忘れないということ」というイメージで加奈のことをみんな覚えていて欲しいと感じました。

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