私を真似したのは誰だ 殊能将之「ハサミ男」

今回はミステリーの中でもトップレベルで人気のある殊能将之さんの「ハサミ男」について書いていきます。

殊能将之「ハサミ男」

あらすじ

美少女を殺害してその後に美少女の首に研ぎ上げたハサミを突き刺す猟奇殺人犯「ハサミ男」。ハサミ男は3人目の殺害のターゲットを樽宮由紀子(たるみやゆきこ)に決めて調査を開始した。

樽宮の住所や行動パターンを確認し、ついにハサミ男は樽宮を殺害する日を迎えた。ハサミを持って樽宮の住むマンションの付近で待機するも一向に樽宮が現れる気配がなく、この日の殺害を諦めハサミ男は帰路についた。

帰る途中、誰もいない公園にふと違和感を感じて公園に入ると茂みの中に樽宮が誰かに殺害された状態で見つかる。樽宮の首にはナイフが刺さっており、自分ではない偽物の「ハサミ男」が手口を真似て殺されていた。

ハサミ男はこの樽宮を殺したハサミ男を突き止めるために調査を開始する。

この小説の特徴

この小説では、周囲と本人が思う人物像が大きく取り上げられています。

特に樽宮由紀子、3番目の被害者でありながらその家庭環境や樽宮自身の特異性など話が進むに連れて最初に見た人物像との変化が強くなっていきます。

ハサミ男も連続殺人を行う反面、普通に生きている人間であるため仕事をして生計を立てています。マスコミで見るだけではハサミ男のサイコパス性のみ取り上げられるため普通に生活しているところなど想像がつかないでしょう。

私たちはその人のわかる部分から人物像を作り出していることがよくわかります。他人が作る人物像と自分が思う自分の人物像の違いがこの小説の中では大きな役割を果たしています。

感想

注意:この先ネタバレを含みます!!

読んで一番最初に感じたのが「私はいつから騙されていたのか。。。」ということです。綺麗に騙せれすぎて騙されていることにしばらく気づかなかったです。それだけ描写が自然に書かれていて違和感なく読めていたからこそ終盤の終盤まで普通に読んでしまってました。もう1回見返すことが必須な1冊でした。

後半にかけての展開も読めない展開ばかりで読み進める中で驚かされっぱなしでした。

毎回思うのですが、最後の最後のシーンで綺麗に終わらせる文章ってすごいですよね、この「ハサミ男」の最後もこれが一番ハサミ男らしい締め方をしていて最高でした。

コメント

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