なんとなくわかる「プロパイダ責任制限法」

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プロパイダ責任制限法とは

プロパイダ責任制限法とは、インターネット上におけるサイトや掲示板から流れた情報によって権利侵害などの不利益が生じた場合にプロパイダが損害賠償の制限や情報発信者の開示についての法律です

正式名称は、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律といいます。

この法律により、

  1. 情報発信者のデマによる被害の縮小
  2. プロパイダの適切なサイト運営

を行うことができる。

この法律は大きく分けて、損害賠償の制限と発信者情報の開示の2つに分けられる。

プロパイダの損害賠償の制限

プロパイダの損害賠償の範囲

第三条に明記されているもので、プロパイダの管理するサイトから流れた情報により個人や企業などが損害を受けたときに、情報の削除や送信の防止を適切に行う場合、損害賠償の責任を負う必要がなくなる。

第三条 特定電気通信による情報の流通により他人の権利が侵害されたときは、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下この項において「関係役務提供者」という。)は、これによって生じた損害については、権利を侵害した情報の不特定の者に対する送信を防止する措置を講ずることが技術的に可能な場合であって、次の各号のいずれかに該当するときでなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該関係役務提供者が当該権利を侵害した情報の発信者である場合は、この限りでない。

平成十三年法律第百三十七号 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

プロパイダが責任を負う必要があるのは以下の2パターンがある。

  1. 情報発信者がプロパイダの管理者などの関係者である場合
  2. 発信された情報が個人や企業の侵害になると分かっていてプロパイダが適切に対処しない場合

プロパイダの適切な対処

損害賠償の責任を負わないためにプロパイダは発信された情報の削除や情報の送信防止を適切に行う必要がある。

しかし、その情報の送信防止や削除を行うことで発信者の「表現の自由」を奪う可能性がある。そのため、第3条では発信された情報をプロパイダが操作することへの責任について明記している。

特定電気通信役務提供者は、特定電気通信による情報の送信を防止する措置を講じた場合において、当該措置により送信を防止された情報の発信者に生じた損害については、当該措置が当該情報の不特定の者に対する送信を防止するために必要な限度において行われたものである場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、賠償の責めに任じない。

平成十三年法律第百三十七号 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

以下の場合は、プロパイダが情報の削除や送信防止を行っても責任を負わない。

  1. その情報によって企業や個人などが確実に被害を受けるという理由がある場合
  2. その情報によって被害を受けた者からプロパイダに対して情報の削除依頼とその理由についての説明があって、プロパイダが情報発信者に削除要請を送って7日間が経過した場合

発信者情報の開示

第4条には、権利侵害となる情報を流した発信者の情報を開示することに関することが明記される。

第四条 特定電気通信による情報の流通によって自己の権利を侵害されたとする者は、次の各号のいずれにも該当するときに限り、当該特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者(以下「開示関係役務提供者」という。)に対し、当該開示関係役務提供者が保有する当該権利の侵害に係る発信者情報(氏名、住所その他の侵害情報の発信者の特定に資する情報であって総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の開示を請求することができる。

平成十三年法律第百三十七号 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

被害者が発信者情報の開示を行えるのは以下の場合に限る。基本的には被害を受けたものが情報の開示する権利を持つ。

  1. 発信された情報によって被害を受けたことが明らかである場合
  2. 損害賠償請求権を行うために発信者情報が必要な場合
  3. その他発信者の情報を開示するのにふさわしい理由がある場合

情報発信者への確認

発信者情報の開示の申請を受けたプロパイダはむやみに情報を開示してはならないことが第4条2項で定められている。

プロパイダは開示するかを情報発信者に対して確認しなければならない。

開示関係役務提供者は、前項の規定による開示の請求を受けたときは、当該開示の請求に係る侵害情報の発信者と連絡することができない場合その他特別の事情がある場合を除き、開示するかどうかについて当該発信者の意見を聴かなければならない。

平成十三年法律第百三十七号 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

発信者情報の適切な扱い

発信者情報の開示により発信者情報を知ったものは、その情報を用いて発信者の権利を侵害してはならないことが第4条3項に定められている。

第一項の規定により発信者情報の開示を受けた者は、当該発信者情報をみだりに用いて、不当に当該発信者の名誉又は生活の平穏を害する行為をしてはならない

平成十三年法律第百三十七号 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

プロパイダの責任制限

発信者情報の開示の申請を受けたプロパイダがその申請を否認した場合の責任について第4条4項で明記している。

開示関係役務提供者は、第一項の規定による開示の請求に応じないことにより当該開示の請求をした者に生じた損害については、故意又は重大な過失がある場合でなければ、賠償の責めに任じない。ただし、当該開示関係役務提供者が当該開示の請求に係る侵害情報の発信者である場合は、この限りでない。

平成十三年法律第百三十七号 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律

プロパイダは発信者情報の開示の理由が正当でないと判断した場合に開示を拒否することができ、その判断が妥当である場合には責任を負わない。しかし、損害賠償の制限と同様にその情報の発信者がプロパイダの管理の関係者である場合は責任を負う必要がある。

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